ひとりが嫌で、今日も笑う。

……いいな。

そんなことを思った自分を、すぐに叱る。


私は、ひとりでいい。

ひとりでいなきゃだめなんだから。


「こんにちは〜」

声を出した瞬間、私はいつもの笑顔に自然と戻った。

航斗がちらりとこちらを見る。


航「……来たのかよ」

「ふふ、来ちゃった〜」

航「昨日の話聞いてねぇな」

「聞いてたよ〜。でも屋上、風が気持ちいいし」


言いながら、私はなるべく距離を取って立った。

近づきすぎない。

それだけは守る。


迅「……あなたは、本当に危機感がないのですね」

「え?危機感?」

迅「黒月の近くにいるだけで、周囲は騒ぎます。あなたの立場が悪くなる」

「うん、そうだね」


私は明るく頷いた。

「だから、ちょっとだけ。すぐ帰るよ」
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