ひとりが嫌で、今日も笑う。

「少しだけ、だめ?」

航「だめ」


即答。

私は苦笑いを浮かべる。


「そっかぁ。……じゃあ、ほんとにちょっとだけ」

自分でも驚くくらい図々しい。


でも、それは勇気じゃなくて。

……ただの必死。

ひとりになりたくない必死さ。


航斗が、ゆっくりこちらを見た。

目が合う。

その瞬間、心臓がまた跳ねる。


怖い。

なのに目を逸らせない。


航「……お前、星乃透羽だろ」

名前を呼ばれて、私は小さく目を見開いた。


「そうだけど、なんで知ってるの?」

航「知らねぇわけねぇだろ」


彼の声は乱暴だった。

でもその乱暴さが、妙に現実味を持って胸に落ちてきた。
< 4 / 126 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop