ひとりが嫌で、今日も笑う。
私は扉に手をかけた。
その瞬間、航斗が低く言った。
航「逃げても追う」
「……やめてよ」
航「やめねぇ」
上から目線な言い方。
でもその声が、少しだけ震えていた。
私は振り返って笑う。
「航斗くんって、ほんとしつこいね」
航「当たり前だろ。俺は総長だ」
「意味わかんない」
私は笑って、屋上を出た。
階段を下りながら、私は胸を押さえた。
幸せかどうかは、私が決める。
そう言った。
言い返した。
なのに。
幸せって……何?
答えは出ない。
ただひとつ分かるのは、
黒月といると胸が苦しいこと。
苦しいのに、ひとりよりは、少しだけ楽なこと。
その事実が怖かった。