ひとりが嫌で、今日も笑う。

黒月と関わるのは、危ない。

噂になる。

妬まれる。

私の立場が悪くなる。


そう分かっているのに、私は屋上に通うのをやめられなかった。

放課後、ひとりで家に帰るのが怖かった。


玄関を開けた瞬間の静けさ。

テレビをつけても埋まらない空白。

冷蔵庫の音だけが響く部屋。


あの寒さを思い出すだけで、息が詰まる。


だから私は、昼休みだけでも誰かのいる場所に行きたかった。

たとえそれが黒月でも。


「透羽〜、一緒に帰ろ!」

放課後、友達が声をかけてくる。


私は笑って首を振った。

「ごめんね、今日は用事あるんだ〜」

「用事って?」

「んー、ちょっとね」


適当な嘘。

そうしないと、ひとりがバレる気がした。
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