ひとりが嫌で、今日も笑う。

……当てられた。

「そうかもね〜」


叶兎がぽつりと言う。

叶「……失わせない」

「そういうの、言わないで」

叶「……言う」


その単語だけの会話が、胸に刺さる。


曲がり角を曲がる直前、振り返って明るく言った。

「じゃあね!送ってくれてありがとう!」


少し早足でマンションの階段を登って、ドアを開け、中に入る。

静けさが戻る。


でも今日は、伊織にもらったいちごミルクの袋が手の中にあった。

それだけで、少しだけ部屋が温かく感じた。


……気のせいなのに。

私は壁にもたれて、袋を胸に抱いた。


「……だめだよ」

小さく呟く。


近づいちゃだめ。

そう言い聞かせなければいけないほどに、私はもう近づいてしまっていた。
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