【新作】婚約破棄×0日婚で逆転の幸せを掴んだら、生涯愛されました。
「……本当、ですからね? 笑ったり、しないでくださいね」
恥ずかしそうに隣を歩く私に、四之宮さんは「そんなことしませんよ。 むしろ、そういう姿を見せてもらえると、距離が縮まると思っていますよ」と言ってくれた。
「そ、そうですかね……?」
「そうだと思いますよ。不安なことがあっても、俺は決して舞美絵さんのことを笑ったり、貶したりはしません。……ちゃんと、そういうところも愛おしいと思えると思います」
愛おしい……? 愛おしいか……。
「やっぱり優しいですね、四之宮さんは」
「俺は一人にしか、優しくしませんけどね」
「……え?」
一人にしか? それって……私のこと?
「さ、お腹空きましたよね。 早くレストランに行きましょう」
「は、はい」
四之宮さんは一見クールなように見えるけど、優しさに溢れていて、とても素敵な人だ。
私のことを本当に愛してくれるのではないか、不思議とそう思ってしまう。
「ここです。予約してたレストラン」
「え、予約……?」
予約してくれたの……? 私のために?
「あれ、言ってませんでしたっけ?」
「はい。聞いてなかったです」
今日素敵なレストランを見つけたから一緒に行こうと言われたけど、予約してたとは聞いてなかったので、びっくりした。
「それは失礼しました。 今日は舞美絵さんの誕生日なので、僭越ながら予約させてもらいました」
「あの……なんかすみません。 ありがとうございます」
「気にしないでください。 さ、行きましょう」
四之宮さんが伸ばしてくれたその手を取り、レストランの中へと入っていく。
「いらっしゃいませ」
「予約してた四之宮です」
「四之宮様ですね。お待ちしておりました」