【新作】婚約破棄×0日婚で逆転の幸せを掴んだら、生涯愛されました。
初対面の男性に慰めてもらうことになるなんて思わなかったけど、ちょっと嬉しい気持ちになる。
「その人の全てを理解するなんて、難しいと思います」
「え?」
「家族だって、その全てを理解するなんて不可能だと思います。……だから、今回のことはあなたのせいじゃない」
彼は私の目を真剣な眼差しで、見つめる。
「……優しいんですね、あなたは」
すると突然、「賢哉」と言われ「はい?」と聞き返す。
「俺の名前。四之宮賢哉、よろしくね」
「四之宮……さん」
いい名前だな、名前からして優しそう。
「私は……舞美絵です。 早瀬舞美絵です。 よろしくお願いします、四之宮さん」
四之宮さんは私に「舞美絵さんか、いい名前ですね」と言ってくれた。
「ありがとうございます。……四之宮さんも、いい名前ですね」
四之宮さんと話しているうちに、涙は引っ込んでしまっていた。
「舞美絵さんと、呼んでもいいですか?」
「は、はい。……どうぞ」
四之宮さんに「舞美絵さん」と呼ばれても、何も嫌な気がしなかった。
「舞美絵さん」
「はい」
すると四之宮さんは、私に向かって「彼にあなたと婚約破棄したこと、後悔させてあげるというのは、どうでしょう?」と問いかけてくる。
「……はい?」
四之宮さんは続けて「舞美絵さんではなく、その彼女との未来を選んだ彼のことを、後悔させてあげるというのは、どうですか?」と再び口にした。
「え、あの……それって、どういう意味ですか?」
四之宮さんから言われている意味が、全く理解出来ない。
雪輝に後悔させる、とは……?