【新作】婚約破棄×0日婚で逆転の幸せを掴んだら、生涯愛されました。
小木嶋さんはずっと我慢していた。それがモラハラだと気付かず、当たり前のことだと思っていた。
私からしたら、普通はありえないことなのだけど、それが普通じゃないことを小木嶋さんに伝えたかったっていうのもあった。
「あの時、早瀬さんがいてくれて良かったって本当に思ってる。 ありがとう、早瀬さん」
「……いえ、私なんて大したことしてません。 小木嶋さんがちゃんと元旦那さんと戦ったからこそ、離婚を勝ち取ることが出来たんですから」
私は小木嶋さんが旦那さんとの離婚が成立したと知った時、嬉しかった。 小木嶋さんがもう苦しむことがなくなったとわかって、ホッとした。
「早瀬さんの旦那さんはきっと優しくていい人なんだろうから、そんなことないと思うけどさ、もし何か夫婦のことで悩んだりしたら私になんでも言ってね? 私でよければ、なんでも相談に乗るから」
私は「はい。その時は、ぜひお願いします」と小木嶋さんに返した。
「ごめん、余計な話しちゃったね。 私もう行くね」
「いえ。お疲れ様です」
小木嶋さんは慌てて、更衣室から出て行く。
「……良かった」
小木嶋さんが苦しかった時を、私は知っている。だからこそ、小木嶋さんの気持ちが楽になって吹っ切れたことは、私にとっても良かった。
小木嶋さんが旦那さんからモラハラを受けて泣いていた姿を見ていたからこそ、何か力になりたいって思ったのは間違いなかったから。
「よし、仕事頑張ろう」
また数日賢哉さんは仕事でいないけど、夕食のおかずを作り置きしておけば、温めて出せる。
今日は帰ったら作り置きおかずでも、作ろうかな。私一人なら簡単なものでいいし、手間をかけなくてもいいし。
今日の夕飯は、残り物でも食べようかな。