すき、きらい、キス。
一瞬静まり返った空気が、まるでお湯が沸いたやかんの如く、一気に沸き上がった。


「2人が付き合うとか今まで考えたことなかったけど、確かにお似合いかも!」

「お試しって、期間を決めてってこと?」

「次の席替えくらいまでだったらちょうどいいんじゃね?」


ちょ、ちょ、ちょっと待って!?


「み、みんな、付き合うってどういうことかわかってる!? 好き同士の2人だからこそ成り立つんだよ!?」

「でも、この前インフリで見たドラマ、偽装から始まって最後はハッピーエンドだったよ?」

「それはドラマの話でしょ!?」


1つ潰しても、その間にも2つ3つと沸き上がってくるお試し交際支持の声。


「ちょっと、月城も何か……」


言ってよね。その言葉は、最後まで声にならなかった。

今回ばかりは共闘せねばと振り向いたものの、月城は隣で固まってしまっていたのだ。

嘘でしょ!? 普段は口が立つくせに、肝心な時に役に立たないじゃん!


ならばとこーやんがいたほうに視線を向けたけれど、そこにこーやんの姿はなく。

そういえばさっき、職員室に忘れ物をしたからみんなが座席を確認して移動している間に取りに行くって言ってたっけ。

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