劣等生と光の花束〜ある魔女の秘密〜
「マシュー。屋根の上に行ってみたら?」

「屋根の上?」

「屋根の上にいる先輩に挨拶した方がいいと思うわよ」

マシューは首を傾げたものの、ジルが窓側に行き手で窓を押し始めた。屋根に行けということだ。マシューは窓を開け、緊張を覚えながらも呪文を唱える。

「シエロ!」

ふわりとマシューの体が浮いた。「空を飛ぶ魔法」が使えたのだ。マシューの顔は一瞬で笑顔になり、ジルに話しかける。

「ジル!見て見て!魔法が使えたよ!」

「魔法使いなんだから当たり前でしょ」

ジルは苦笑していた。すると、「その声、マーキュリーか?」と屋根の上から声が降ってくる。マシューが顔を上げると、アルバートが屋根の上からこちらを覗いていた。マシューは「こんばんは」と言い、屋根の上へと移動する。そして、そこにあった景色に驚いた。

「えっ……。ホープ先輩、これって……!」

屋根の上には猫が十頭以上いた。黒猫、白猫、グレーや茶トラまでいる。マシューの瞳が輝き、口角が上がっていった。アルバートが訊ねる。
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