劣等生と光の花束〜ある魔女の秘密〜
気になったマシューは屋根の上へと飛ぶ。顔を上げたマシューは、屋根で歌っていた人物を見て頰を赤く染めた。歌っていたのはフレイヤだった。

月明かりがフレイヤを照らす。まるで舞台の上のスポットライトのようだった。フレイヤは、まるでミュージカルを演じているかのように踊る。まるで月の女神が降臨したかのような美しさに、マシューは言葉を失った。

(綺麗……。もっと色んな言葉が出てくるはずなのに、これしか出てこないや……)

この歌はどういう意味なのか。マシューが考えながらフレイヤを見つめていると、彼女がようやく視線に気付いた。顔が一瞬にして赤く染まる。フレイヤはマシューに駆け寄った。

「マシュー!いつから見てたの?」

「少し前からです」

マシューが答えると、フレイヤは恥ずかしそうに両手で顔を覆った。マシューは訊ねる。

「さっきの歌、英語じゃないですよね?何語なんですか?」

「日本語よ。お兄ちゃんが好きな歌なの」

フレイヤはそう言い、写真を取り出す。フレイヤと彼女より年上らしき男性、そして幼さが残る男の子と女の子が写っていた。
< 195 / 222 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop