劣等生と光の花束〜ある魔女の秘密〜
「手紙、いっぱい届いてたわよ」

ジルのその一言に、マシューは目を開いた。フレイヤから手紙が届いているかもしれない。そう思うと、マシューの眠気は一瞬で吹っ飛んでしまう。

「手紙、どこに届いてるの?」

「机の上よ」

ジルはそう言い、ベッドから降りた。マシューは被っていた布団を脱ぐ。ヒヤリとした寒さが体を包み込んだものの、机の上に置かれた手紙の山を見ると、寒さなどどうでもよくなった。

マシューは一つひとつ手紙を見ていく。ハリー、ジュディス、ミラ、マーガレット、クロードなどたくさんの人から『ハッピーニューイヤー』と送られてきていた。その手紙の中に埋もれている二枚に、マシューの緩んだ頰はさらに緩んでいく。

「天使様とフレイヤ先輩からだ……!」

天使様からの手紙には、『可愛いマシュー。今年もよろしくお願いします』と書かれていた。毎年、書いてあることは同じだ。しかし、その一言が地獄のどん底とも言えるマーキュリーの屋敷で生活していたマシューにとっては、希望の光だった。
< 268 / 311 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop