劣等生と光の花束〜ある魔女の秘密〜
「エルダーフラワーティーよ。高いリラックス効果と発汗作用があって、ヨーロッパでは「庶民の箱」として親しまれているの」

「そうなんですね」

マシューは紅茶を一口飲む。クセのない優しい甘みが口に広がった。マシューは息を吐く。

「……おいしいです」

「それはよかったわ。……ところで、酷い顔だったのはもしかしてミッドフォード先生のことかしら?」

メーガンの目が鋭くなる。マシューは誤魔化そうとしたものの、「……はい」と数秒後には答えていた。メーガンに、何故か嘘は吐けない。

「僕は、劣っていると。どうして嫌われているのか、わかりません。校長先生とミッドフォード先生が話しているところを見たことがあって、その話が関係しているかもしれないとは思ってるんですけど……」

「理由は聞けていないのね」

「はい。聞けたら、楽になれるかもしれないのですが……」

メーガンが優しく微笑む。気が付けば、マシューの机の上に置かれた手に、メーガンの手が重なり、やがてその指が絡められていた。
< 295 / 316 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop