劣等生と光の花束〜ある魔女の秘密〜

溶けていく氷

次の日も、マシューに向けられる目は冷ややかだった。アメジスト・ウルフ寮では嘘を見抜けるテオがいるため、マシューが何も知らなかったことは簡単に証明される。しかし、他の寮の生徒からは疑われたままだ。

「俺がマーキュリーは意図的にやってないって言ったんだがな……」

テオが悔しげに言う。マシューは「仕方ないですよ」と寂しげに笑った。

マシューが朝ご飯を食べるために大広間のドアを開けると、冷たい視線がいくつも突き刺さる。マシューは緊張を覚えつつ、取り皿を手にする。

(怖い。でも、先輩たちに食事を持って来てもらうわけにはいかないし……)

マシューが料理を皿に持っていると、背後から誰かにぶつかられた。マシューは皿を床に落としてしまう。

「あっ……」

皿が割れ、盛り付けた料理が床に散らばる。それをマシューが呆然と見ていると、ぶつかってきたルビー・ホース寮の生徒とラビット・トパーズ寮の生徒がクスクスと笑う。
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