劣等生と光の花束〜ある魔女の秘密〜
スティーブはアルヴィンの首根っこを掴み、引き摺っていく。マシューはその後ろ姿をしばらくぼんやりと見つめた後、自分の手が震えていることに気付いた。自覚した刹那、涙が溢れていく。

「僕は、誰にも信じてもらえないの……?」

誰もいない廊下でマシューは泣き続けた。すると、「マシュー」と優しく声をかけられる。マシューは振り返り、胸が高鳴るを感じた。フレイヤが立っている。

「噂のこと、聞いたよ」

「……僕は、何も、知らなくて!でも、みんな、信じて、くれない……!」

マシューはしゃくり上げる。そんなマシューを、フレイヤは優しく抱き締めた。

「マシューは悪くない。呪いを使える私が保証する。マシューは優しいもの。仮に呪いを操る力があったとしても、絶対に悪用しないと私が証明するわ」

「フレイヤ先輩……」

「ねぇ、マシュー。マシューにネックレスを渡したのはペニー先生って本当?」

フレイヤの声が低くなった。マシューが頷くと、フレイヤが何かを呟く。しかし英語ではなかったため、マシューには何を言っているのかわからなかった。

「マシューは部屋に戻ってて。ご飯、私が持っていくから」

そう言ったフレイヤは、いつもの笑みを浮かべていた。マシューの胸が、また高鳴っていった。
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