炎上代行~キミとなら、最悪でもいい~
第2話 炎上代行
翌日。
昨日の配信のコメントが頭から離れなくて、ほとんど眠れなかった。
『学校でもそうやって笑ってんの?』
どうして、あんなことを知っていたのか。
学校ではいつも通り、普通に笑っている。
普通に、空気を壊さないように。
普通に、周りに溶け込んでいるつもりだ。
昼休みになると、私は周りを警戒して旧校舎の階段へ逃げ込んだ。
ここは使われている教室が少ないから、人の出入りも少ない場所。
隠れるのにもってこいだった。
昨日、コメントしてきた人に見られているかもしれないから。
あ!そうだ!
私、何やってるの?
もっと他の人たちに見られてしまう前に、昨日の配信を削除しなきゃ。
どうして、削除するって思いつかなかったのよ……。
「急げ……急いで削除しなきゃ……」
昨日の配信アーカイブを開こうとしたその時。
「その覇気のない声、昨日と同じだな」
「……っ!?」
心臓が止まりそうになった。
階段に座り込んだまま、目を丸くして声の主を見上げる。
そこに立っていたのは、学校でも有名な問題児で同じクラスの渡辺亮太だった。
着崩した制服。
高校2年生だというのに、耳にはピアスを開けているし、髪は茶色染められている。
近寄りがたいのに、なぜか目が話せなくて、人気のある男子だ。
彼の奥二重のキレのある目が、焦ってスマホを隠す私を見下ろしていた。
「え……っと。な、なに?」
私がぎごちなく聞くと、彼は面倒そうにズボンのポケットからスマホを取り出した。
何やら画面を操作し、そしてその画面を私に向ける。
「……炎上代行」
って……。
その、アカウント名、まさかっ!!
「やっと気づいた?」
渡辺くんがニヤリと笑う。