指先で恋を伝えて
その人の手を、綺麗だと思った。
ネイルサロンで働いていると、たくさんの手を見る。
荒れた手。
小さな手。
年齢を重ねた手。
指先には、その人の生き方が出る。
だから私は、人より少しだけ“手”にうるさい。
ネイルサロン「碧」は、私、高橋 美織の小さなお城だ。
オープンして3か月、完全予約制のシステムで、ひとりでも回していける。前の店からの常連さんも来てくれるし、新規の予約もぼちぼち入り、経営は軌道に乗り始めたところ。
私は、タブレットを開き、予約表を確認した。
この後、来店の予定は、新規のお客様で「神崎 彩羽様 20歳 女性」となっていた。
どんなお客様なのだろうと想像してみる。
派手目の女性なら、スカルプネイルで自由なデザイン。
清楚系の女性なら、艶感あるジュエルネイルもいいかも……。
そのとき、ドアが開いてカウベルが、お客様の来店を告げた。
「いらっしゃいませ」
と、顔を向けた瞬間、私は固まってしまう。
入り口に居るのは、私の予想とはちがって、仕立ての良いスーツ姿の男性だった。
ネイルサロンで働いていると、たくさんの手を見る。
荒れた手。
小さな手。
年齢を重ねた手。
指先には、その人の生き方が出る。
だから私は、人より少しだけ“手”にうるさい。
ネイルサロン「碧」は、私、高橋 美織の小さなお城だ。
オープンして3か月、完全予約制のシステムで、ひとりでも回していける。前の店からの常連さんも来てくれるし、新規の予約もぼちぼち入り、経営は軌道に乗り始めたところ。
私は、タブレットを開き、予約表を確認した。
この後、来店の予定は、新規のお客様で「神崎 彩羽様 20歳 女性」となっていた。
どんなお客様なのだろうと想像してみる。
派手目の女性なら、スカルプネイルで自由なデザイン。
清楚系の女性なら、艶感あるジュエルネイルもいいかも……。
そのとき、ドアが開いてカウベルが、お客様の来店を告げた。
「いらっしゃいませ」
と、顔を向けた瞬間、私は固まってしまう。
入り口に居るのは、私の予想とはちがって、仕立ての良いスーツ姿の男性だった。
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