逃げられるものならお好きにどうぞ。
「百合子さん、おかえり。はい」
黒瀬くんが、にっこり笑顔で手を差し出してくる。
その手にそっと掌を置けば、満足そうにぎゅっと握られた。
「次はどこに行くんだ?」
皇さんの言葉に、私と美代さんは目を合わせた。
作戦を実行するために、一つの提案をする。
「あの、よければゲームセンターとか行ってみませんか?」
「ゲームセンター? 別に構わないが……意外だな」
「意外?」
「嬢ちゃんが、ああいう場所が好きなことがだ」
別にゲームセンターが好きだというわけではないのだけど……それを否定して作戦を実行できなくなっても困るので、曖昧に笑みだけ返しておいた。
黒瀬くんもあっさり了承してくれたので、四人で直ぐそばにあるゲームセンターに向かう。
「百合子さん、何か欲しいものがあれば言ってね。俺がとってあげるよ」
「ありがとう、黒瀬くん」
ガヤガヤと賑やかな音でごちゃついているゲームセンター内を歩きながら、お目当てのものを探す。