逃げられるものならお好きにどうぞ。
「でも百合子って、お姉さん気質だもんね。確か彼氏くんも年下でしょ?」
「うん」
「いくつくらい離れてるの?」
「確か……四つ下だったかな」
「へぇ、まぁまぁ離れてんのね。百合子、ちゃんと甘えたりはできてるの?」
「……甘えたり?」
「彼氏くんによ。百合子、自分の方が年上だからーとか、気にしてそうって思って」
三奈の言葉に短い返事を返しつつ、スプーンを口許に運ぶ手は止めない。あと一口で完食だ。
「ま、話を聞いてる感じだと上手くやれてるみたいだから、別にいいんだけどね」
存外私のことを心配してくれていたらしい三奈は、呆れたような顔で笑っている。
口の中の物を飲みこんでから「うん、ありがとう」と感謝の言葉を伝えれば、三奈はルージュの引かれた口元を持ち上げて満足そうに微笑んだ。