逃げられるものならお好きにどうぞ。


「ランチ、何食べよっかな」

「確か百合子さん、パンケーキが食べたいって言ってなかった?」

「うん、そうなんだけど……インスタを見てたら、期間限定プレートっていうのがあるらしくてね。それもすごく美味しそうだったから、迷ってて」

「へぇ、どんなやつ?」

「これなんだけどね……」



スマホを取り出して、これからお邪魔する予定のカフェのアカウントを開く。

黒瀬くんに見えるように画面を近づければ、前方から、何だかガラの悪そうな男の子たちが歩いてくるのが見えた。



「きゃはは、マジかよ!」



年は二十代前半といったところだろうか。

皆が金色だったり赤や紫色だったりと派手な髪色をしていて、合わせて服装も派手で個性的な装いをしている。


一番前を歩いている子なんて、遠目から見ても分かるくらいに鼻にたくさんのピアスをつけている。あんなに穴を開けて、痛くはないんだろうか。あれが今流行りのオシャレってやつなのかな……?


下品な笑い声を上げている鼻ピアスの男の子が、自身の隣を歩く友人らしき子から、私たちの方に顔を向けようとしているのが分かった。

私は目が合わないようにと先に逸らして、スマホの画面に視線を落とす。

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