逃げられるものならお好きにどうぞ。


「っ、やだ! 触らないで……!」

「へへ。大人しくしとけば、悪いようにはしねーよ」



必死の抵抗も虚しく、縄で拘束されている手足を、男たちの手によって更に地面に縫い付けられる。

荒っぽい男たちの手によって、綺麗に着付けてもらった着物を暴かれる。

生温い手が、太腿を撫でる。無骨な手に、腹部を弄られる。


――気持ち悪い。

不快で、惨めで、怖くて、こんな奴らの前で泣きたくなんてないのに、涙が零れそうになる。



(っ、黒瀬くん……黒瀬くん、黒瀬くん……!)



大好きな人の名前を、心の中で、何度も呼ぶ。




ガッシャーンッ!


――倉庫の扉が、激しい音を立てて開かれた。

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