逃げられるものならお好きにどうぞ。
約束する未来に、君は――。
「百合子は、夏季休暇はどうするの? 帰省する?」
「うん、そのつもり」
「例の彼氏くんは?」
「えーっと、実はね……」
昼休憩。職場から徒歩三分の場所にある定食屋で三奈とお昼を食べながら、一週間後に迫っている夏季休暇の話をする。
「え、彼氏くんも一緒に行くの? 百合子の実家に? ……何それ、アンタたちもしかして、結婚するの!? 家族にご挨拶的な!?」
「いやいや、まだ結婚とか、そういう話はしてないから! ただ誘ってみたら、椿くんも遊びにきてくれるっていうから……親にも紹介できたらなって思ってはいるけど……」
「へぇ、百合子ったらやるじゃない。でも、結婚式には絶対呼んでよね」
「だから、まだそういう話はしてないから……」
「はいはい、“まだ”ね」
「……三奈の意地悪」
にやにや笑いながら揶揄ってくる三奈をジト目で見れば、三奈はサラダに盛り付けられているミニトマトをフォークで器用に掬って私の皿の端にのせてくる。