逃げられるものならお好きにどうぞ。


「百合子先輩って、確か来週、有給をとってるんですよね?」

「うん、そうなの。三日間、実家の方に帰省する予定なんだ」

「夏季休暇、とは別なんですか?」

「そうだね。地元の方で花火大会があるから、見に行こうと思って」

「へぇ、いいですね! ……あ! もしかして、例の彼氏さんと一緒にですか?」

「……うーん、どうだろうね」

「……もしかして、彼氏さんと喧嘩でもしてるんですか?」

「……まぁ、ちょっとね。それより、そろそろ課長たちもくるだろうし、朝のミーティング前にメールだけでもチェックしておこうか」

「……はい! そうですね」



心配そうな顔をしている佐々木ちゃんに曖昧な笑みを返しながら、そこで話を切って、業務にあたるべく起動したPCに向き合う。

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