Fahrenheit -華氏- Ⅲ


二村の作戦を阻止することできたのなら、瑠華とまたやり直せるのだろうか。


何もなかったように……


できるのだろうか―――


「いつまで彼女を悲しませる気?」綾子が呆れたようにため息を吐いて腕を組む。


「……分かってるよ…分かってる…」テーブルに置いた拳をぎゅっと握り俯いた。





「人の気持ちってさ、流れるときは流れるし、でも繋がるときは繋がる。


俺とマリを繋げてくれたみたいに、今度は俺が柏木さんと啓人を繋いであげたい」



桐島―――




「だからさ、やっぱここは村木さんと手を組むのが一番だって♪」


桐島はにっこり言って俺のの肩をポンと叩き


「お前、何か楽しんでないか?」


「楽しまなきゃ損だよ。じゃなきゃ…」桐島はそこまで言って言葉を切った。


「「「じゃなきゃ??」」」」桐島を除く俺たち三人が桐島に注目すると





「やってらんねぇ」





桐島の低い一言に「びくぅっ!」三人が同時に肩を震わせた。


出たな!黒桐!


「ま、まぁとりあえず神流派の保有株主がどれだけいるかだよな」


裕二が話を変えた。


「保有していても意味がないわよ。目の前の数字より腹の中が分からなきゃ」綾子はワインを手に、立ち上がると桐島の横に腰掛けた。




「そうだな、いかに緑川派を抱え込むか、それが勝敗に大きく関わる。


次の株主総会は3月25日だ」



それまでに必ず風向きが変わる、変えてみせる。


キーパーソンは



瑞野さんだ―――




とりあえず、俺の仮説が当たってるのか外れてるのか一つずつ潰していくしかない。


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