Fahrenheit -華氏- Ⅲ
狭い(ついでに散らかっている)書斎から、リビングに移動して
俺たちはローテーブルを囲み、再び会議開始。
「外に作らせた子って言うのも気になるところね」と綾子がコーヒーカップを手にしながら首を捻る。
「どこまで本当なのか分からないが、村木もそう証言していたし、隠し子がいたと言ってほぼ間違いないだろう」
「それをつつくか?でもあそこまで弁が立つから、そうそう認めないと思うぜ?」と裕二が顎に手を置き首を捻る。
「つついたところで常務にとってそれ程のダメージを与えられるのか、ってとこもあるよな。その子供の認知をしていなかったら尚更」
「そう思うと会長は一途よねぇ」
綾子がほぉっとため息をつく。
あのぉ……若干顔が赤くなってる気がするんですが…
まぁ?あいつ(親父)は一途って言うかおふくろに未練たらたらなだけ。それを一途と言えば聞こえは良いが…?
「でもその子供ってのを突き止めても意味があるのかな」と桐島は頬杖をついて明後日の方向を見ている。
まぁ確かに、その子供ってのが神流グループとは何の縁もゆかりもない子供な可能性なあるわけだし。
「それをネタに脅し掛けるって手もあるけどね」と桐島はにこにこ。
出たな、クロキリ。
お前、考えが黒いんだよ。
「さっきも言った通り、ダメージを与えられるかどうかが重要ポイントだよ」俺が人差し指を立てると、三人は「「「う゛~ん…」」」と唸った。