真昼の星空
「まさくんと別れる頃、」

少し遠くを見る。

「私が趣味で編んでたセーター何着か雑誌に載ったの。」

指先を見つめる。

「趣味だったから会社で働きながらやってたんだけど、」

少し笑う。

「ちょっとだんだん趣味の域超えてきちゃって」


「両立難しくなって、」

小さく息を吐く。

「会社辞めちゃった」

部屋の中は静かに聞いている。

誰も口を挟まない。

陽の声だけがゆっくり流れる。

圭祐がワインを口に含みながら、何気ない顔で聞く。

「2人は離れてた10年何も無かったの?」

その瞬間。

旬と希の背筋が少し伸びる。

(キタ)

(この質問)

目が輝いている。

ワクワクしているのが隠せない。

雅人と陽が同時に顔を見合わせる。

少しだけ間。

「ない」

「ある」

答えが重なる。

違う答え。

希が身を乗り出す。

「もうね、」

頬が少し赤い。

「陽さんのお話、恋愛小説1冊読んだくらいドキドキするの。」

旬を見る。

「ね、旬」

旬も頷く。

「うん。」

でも少し遠慮するように言う。

「でもこの前俺ら色々聞いて話させちゃったし、」

雅人を見る。

「また同じ話させるのも悪いし、」

少し言い淀む。

「雅人、さんに何回も聞かせるのも、悪いし…」

雅人がすぐ言う。

「まさとね。」

笑う。

「大丈夫、」

陽を見る。

「ようちゃんのことなら何回でも聞けるし」

旬が小さく呟く。

「強い。」

圭祐がすぐ返す。

「旬は弱いもんな」

広哉と凌がニヤニヤしている。

旬が顔をしかめる。

「うるさい」

美海が身を乗り出す。

「そこまで言われたら絶対聞きたいんだけど…」

圭祐も言う。

「俺も」

広哉も頷く。

凌も無言で頷く。

全員の視線が陽に集まる。

陽は少しだけ息を吐く。

グラスを持つ。

「では。」

少し微笑む。

「皆さん今日は沢山飲んでください。」

ワインボトルを見る。

「私も酔わないと話せませんので」

雅人と目が合う。

二人で小さく笑う。

これから長い話が始まる。
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