気付けば、隣にいた  - 無愛想な同居人は、不器用に優しい。 -

『その5 誕生会は絶対参加』


「えー、これまだやるわけ?」


どうやらこのルールは柊弥さんが作ったルールみたい。

このルールを読み上げてから、柊弥さんはちょっぴり満足そう。




『その6 偶数日は共有スペースの掃除をする』


「これは当番制ね」

「4人で回すなら前より回ってくる回数減るな」

「想、ちょっとラッキーって思ってない?」




『その7』


「これが1番大切!」


『その7 困った時は1人で抱え込まない』


「これ絶対な、茉桜」


って、柊弥さんが少し真面目そうな顔で言う。


「そんなに大事なんですか?」

「大事」


また真剣にそういう、柊弥さん。


「………」

「これ、この家の最重要ルールだからね!」


希遥さんも同意見な様子。



「以上!これが桜ノ木ハウスのルールでした!」


この時間でわかった。

分かっていたつもりだったけど、更に分かった。


この家は暖かすぎる。

私にはもったいないくらい。

——この時はまだ知らなかった。

ここが私の大切な居場所になることも。

そして、あの感じの悪い男が、その中心にいることも。


「改めて…。蒼明大学文学部教育学科2年の真田 茉桜です!小学校教諭になるため、頑張っています。…みなさんと仲良くなれるよう、頑張ります!よろしくお願いします」

「茉桜、よろしくね!」

「よろしく、茉桜ちゃん!……ほーら、想!」

「……よろしく」


それだけ言って、想くんはすぐに視線を逸らした。

想くんが初めてちゃんとこっちを見た。

ほんの一瞬だったけど。

それまで全然目も合わせてくれなかったから、少しだけ嬉しかった。



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