尊い推し兄弟に愛されてます!?
「誰が?」
「一華ちゃん」
「それは聞こえた」
莉子が首を傾げる。
「【enen】の編集長がそんなこと言ってたから」
……黒崎編集長が?
「何て?」
「SNSのコメントにすごい書かれてたんだって!公園で二人でいて……」
その瞬間、柚希の顔が脳裏に浮かぶ。
『俺、本気だから』
そう言った柚希。
その後どうなったのかは知らないし、聞けずにいた。
心臓がドクンと嫌な音を立てた。
「……」
胸の奥がざわつく。
そんなはずない……あいつらは付き合ってなんかいない。
だけど、もし――。
「玲央?」
莉子の声で我に返る。
「いや……それで?」
平静を装うが、心臓は少しも落ち着いてくれなかった。
「それでね、キスしてたとか書かれてたんだって!」
さすがにそれは、頭が真っ白になった。
キス……?
「まぁ、すぐ消されたようだから本当かわかんないんだけどさ」
「……」
「火の無いところに煙は立たないっていうじゃない?」
莉子の声が遠くに聞こえる。
嘘だろ……?
二人で公園にいて……キスしてたって?
ありえねぇだろ。
気が動転したまま撮影がスタートし、何度か撮り直しはあったけど、無事に終わった。
でも……頭の中は柚希と一華のことばかりで。
こんなんじゃダメだとわかってるのに。
撮影が終わると、俺はすぐにスマホを手に取っていた。


