尊い推し兄弟に愛されてます!?
「……そっか」
少しだけ俯いてから、小さく息を吐く。
「やっぱ兄ちゃんには勝てないな」
「ゆずくん……」
「でも」
ゆずくんはもう一度私を真っ直ぐ見つめた。
「俺、まだ諦めないよ」
「え……」
「ちゃんと振られたのはわかった。」
「……」
「でも、今は付き合ったわけじゃないんでしょ?」
私は言葉に詰まる。
ゆずくんに言ってしまおうかと思ったけど……。
付き合ってることは言えない。
「だったら、まだ俺にもチャンスある」
「ゆずくん……」
「兄ちゃんが忙しくて、いっちゃんを泣かせるかもしれないし、寂しい思いする日も来るかもしれない。その時は俺がいっちゃんの隣にいる」
その言葉が胸に刺さる。
「だから」
ゆずくんは少しだけ照れくさそうに笑った。
「まだ諦めろって言われても無理」
「……」
「俺、本気で好きだから」
それでも私は首を横に振った。
「ごめん……その優しさに甘えちゃダメなんだ」
「え?」
「もし私が迷ったまま返事をしなかったら……ゆずくんは、ずっと待ち続けちゃう」
「……」
「私……それだけはしたくない」
しばらく沈黙が流れた。