尊い推し兄弟に愛されてます!?
その言葉を聞いた瞬間、さっき屋上で見た光景が頭をよぎる。

女子の先輩に囲まれて笑う玲央くん。

腕に抱きつかれていた姿を思い出してしまい、私は一瞬だけ言葉に詰まった。

そのほんの一瞬を、ゆずくんは見逃さなかった。

「……ほら」

「え?」

「今、思い当たることあったでしょ」

ドキッと胸が鳴る。

「これからもっと増えるよ」

ゆずくんは静かに言った。

「共演者とか……同じ事務所の子とか、ファンとかもありえるかも」

「……ファン?」

「いっちゃん、それ耐えられる?」

私は唇をぎゅっと噛んだ。

確かに不安はある、今日だって、胸が苦しくなった。

でも……玲央くんが言ってくれた。

『いつか堂々と一緒に街歩けるように頑張るから』

あの言葉を思い出す。

私はゆっくり顔を上げた。

「……うん」

ゆずくんを真っ直ぐ見つめる。

「それでも私は、玲央くんを信じたい」

その言葉を聞いたゆずくんは、一瞬だけ寂しそうに笑った。



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