理系喪女の私がこんなにモテていいわけがない
「ちょっと! 私の服、どこやったんですか! ていうか何ですか! この穴だらけの下着は!」

 シャワーを浴び終わった私は脱衣所に置いてあったはずの持参した服がなくなっていることに気付き、バスローブ姿で部屋に向かって飛び出した。服があった場所には代わりに変な部分にスリットの入った、表面積の小さな白いレース素材の奇妙な下着が置いてあった。

「えーだって俺、誕生日だし。お前サービスしろよ」

 住良木さんはテレビ画面から目を離さずにそう言った。今度は笠井君と住良木さんが並んでゲームに興じている。テーブルにはさっきまで飲み食いしていたお菓子やらお酒やらが広げられたままになっている。

「こんなの着られませんよ! 笠井君もいるのに!」

 髪も生乾きな状態でバスローブ姿のまま、下着片手に二人の背後に近寄って訴えかける。生返事されても諦めない。

「いいじゃん、笠井も見たいよな、相川のエロい下着姿」

 笠井君は画面を見たままこくこくと頷く。あーもう! この男たちは! 全く頭にくる!
 ほどなくゲームが終了したようで住良木さんが立ち上がって私の方に向かってくる。

「何ですか。文句があるなら聞きますよ」

 う、至近距離。腰に住良木さんの手が回る。笠井君もいるのに住良木さんの視界には私しか入っていないみたい。

「最悪このまましてもいいけど」

 ちゅっ、と軽くキスをしてから反対の手がするりとバスローブの隙間に侵入する。すっと胸の位置を探り当てると二、三回揉んでそのまま乳首を引っ掻くように擦る。

「ちょ、待ってください」

 住良木さんは私の言葉を無視して、摘まんだり引っ掻いたり乳首をこね繰り回し続ける。久しぶりなのもあって敏感に反応してしまう。

「ちょっと、やめて」

 下着片手に喘ぎながら身体をくねらせる。「見ていません」オーラを出しながらがっつり横目で見ている笠井君の後姿が視界の端に映る。

「どうする? このままやる? 俺、お前のせいで溜まってるからすぐできるぜ」

 住良木さんが面白そうにバスローブの中で手を動かし続ける。反対の手が腰から下に降りてくる。バスローブの裾をたくし上げようと住良木さんの大きな手がわさわさと動く。

「やだ。髪、乾かしてないし。下着も着るからやめて」

 私はすっかり息が上がった状態で何とか住良木さんの手を制して責め苦から逃れた。ヤバい、私もスイッチが入っちゃったかも。もう濡れている感じがする。

 * * *

 仕方なく髪を乾かしてエロい下着を身に付け、無言でベッドに向かう。

 大きなキングサイズのベッドにはボクサーパンツ一枚の姿でゆるりと寝そべっている住良木さんがいた。黒いカバーの上で長い髪をおろして大胆に寝そべる姿はまるでどこかの外国の王族か富豪みたい。

 笠井君、どうしているかな。ちらりとテレビのある方を見ると、もうテレビはついておらず、「スマホを見ています」風の笠井君がソファに楽に腰かけていた。一旦見たけどその存在をすぐさま頭の中で消し去るよう努力する。こんな状況、完全に異常なんだけど。

「いいじゃん。すげえ可愛い」

 住良木さんは私の全身を舐めるように満足気に眺める。ブラの白いレースのスリットから常に乳首が顔を覗かせている。揃いの白いレースのショーツは肝心な所に布が無く、ぱっくりと割れていてその意味を成していない。恥ずかしい。こんな下着、着ていないほうがまだマシだ。完全にその行為のための下着じゃないか。

「ほら、こいよ」

 待ちきれなくなったのか住良木さんが腕を広げる。私は背後の笠井君を決して見ないようにしてその腕の中に潜り込む。

「あの、誕生日プレゼント、持って来たんですけど……」

 渡すタイミングを失って鞄の底で眠っているその存在をふと思い出した。何を渡したらいいかわからなかったから無難にメーカーもののTシャツなんだけど。なんかちょっとダサいかも。

「え、マジで。嬉しい。見たい」

 そう言いながらも住良木さんは私への愛撫を止めない。キスしたり乳首を吸ったり、ショーツの割れ目で指を動かしてみたり、がぶがぶと食い尽くすように私を離さない。

「今、忙しいから、笠井に持ってきてもらっていい?」

 え、ちょっと! 無理! と思って首を全力で横に振る。
 がさごそと鞄を探る音がする。え、嘘!? 笠井君?!

「これですか?」

 キングサイズの大きなベッドの上に青い包装紙で包まれたTシャツがそっと置かれる。嘘! 笠井君、普通に見ている!

「ああ、ありがとな。そっち置いといて」

 自分から見たいと言ったはずなのに行為に夢中の住良木さんは、プレゼントを開封せずに一瞥するとまた私に覆いかぶさった。うう変態! 変態! 笠井君に私のあられもない姿をわざわざ見せつけただけだ! 笠井君だけじゃなくて住良木さんも変態だった!

「くそ。溜まり過ぎて暴発しそう」

 住良木さんがボクサーパンツのゴムを引っ張って身を起こす。私ももうすでにドロドロ。辛うじてイッていないだけで頭がぼうっとして前後不覚になっている。

 笠井君は私たちのベッドの足元にスツールを持ってきてじっと黙って私たちの行為を眺めている。前かがみになって隠しているが股間のあたりが不自然に膨らんでいる。

「もう入れるわ。お前、中でイケよ」

 いつになく余裕がなさそうに焦る住良木さんがゴムを着けながら私に言う。私はもうぐったりして住良木さんの言いなりになって足を半開きにして静かに頷いた。
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