演技派女優に本気で恋をしてしまった社長の誤算
「槙田社長もこっちなんですか?」

「まあ、そんなもんですよ」

そう言うと彼女は、申し訳なさそうな顔をした。

「悪いですよ。会社どちらなんですか?」

「今日はもう直帰しますよ」

そう言って彼女の肩に腕を回すと、スッと抱き寄せた。

「社長?」

「このまま帰したくない」

彼女の目が潤み始める。

そしてもっと抱き寄せると、彼女は俺の胸の頭を預けた。

ああ、可愛い。

「どうして、そんな事言ってくれるんですか?」

そんなの決まってるだろ。

俺は君が気に入ったんだよ。

「私、誤解しますよ」

「なんて?」

彼女は俺を見つめた。

「……分かってるくせに」

その瞬間、たまらずに彼女を抱き寄せた。

俺の腕の中に、あの笑顔の彼女がいる。

放したくない。

ずっと俺の腕の中に閉じ込めておきたい。

「連絡先、教えて」

俺はスマホを取り出した。
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