演技派女優に本気で恋をしてしまった社長の誤算
金曜日。

当社のCMに起用された伊藤萌奈が、俺のいる社長室にやってきた。

「失礼します」

ドアを開けた彼女は、長い髪を一つに結び、ロイヤルブルーのジャケットを羽織っていた。

俺に気づいた彼女は、真っ直ぐこちらを向いて頭を下げる。

「初めまして、伊藤萌奈と申します」

その仕草は、今まで出会ったきた人の中でも群を抜いていた。

圧倒的な存在感だった。

「社長取締役をしております、槙田一哉と言います」

「槙田社長、お目にかかれて光栄です」

その笑顔がまるで向日葵のようだと思った。

「どうぞ、お座り下さい」

「失礼致します」

ソファーに座った彼女は、真っ直ぐ俺を見つめる。

あまりにもその真っ直ぐな視線に、ドキッとしてしまう。

「この度は、御社のCMに起用していただき、誠にありがとうございます」
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