演技派女優に本気で恋をしてしまった社長の誤算
「……こんなに、求められたのは……初めて……」

彼女が息を絶え絶えにしながら、ぽつりと呟いた。

数々の男たちからアプローチを受け、スクリーンの中でも無数の愛を注がれてきたはずの彼女の口から出た、「初めて」というその言葉。

一人の男として、彼女のすべてを完全に独占したのだという強烈な事実が、俺の背筋をゾクゾクとした至高の快感で満たしていった。

カチャリ、と静かに浴室のドアが開いた。

朝の光が眩しく差し込む部屋に、シャワーを浴び終えた萌奈が戻ってくる。

彼女はベッドの上に散らばっていた自分の下着を拾い上げ、ごく自然な動作でそれを身にまとっていった。

ブラジャーのホックをかける背中のライン、ショーツを引き上げるしなやかな太もも。

朝の光に照らされたその一挙手一投足が、息を呑むほどに美しく、どこか現実離れした神聖さすら帯びていた。

一方の俺は、シーツを腰に巻いたまま、ベッドの上で呆然としていた。

あの伊藤萌奈を抱いた。

夜だけでなく、この朝の光の中でも、彼女のすべてをこの腕で貪り、確かに一つになった。
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