余所者-よそもの-
怖い話だと思った。
同時に、私は今日なんて場所に足を踏み入れてしまったのだろう、なんて遅い後悔だってする。
「シトウで起きたことならある程度庇えるが、Zは面倒だ。もう二度と行くな」
Z地区とは。
シトウの中で薬物中毒者が集う一角。
危険だってことは自分が身をもって知った。
だけど、なんであんな場所に踏み込んでしまったんだろう。
……シドはどうして、タカをあそこに連れて行ったんだろう。
そう思ったけど、尋ねる勇気はない。
シドはまるでそんな私を見透かしたように、続ける。
「もともとZ地区とシトウの境界線には監視を置いてる」
「シド、私は、」
「お前が境界線を超えれば、俺に連絡が入る」
「………」
――だからもう間違っても、男を追うなよ。
そう言い聞かされた気がした。