余所者-よそもの-
「もともとあそこ一帯立ちんぼが多かったし、臭せーんだよ。だからゴミはゴミの中でよろしくやってろっつーことで、あそこは俺の管轄外」
「………」
「トチ狂ったヤツを管理するのも面倒なんでな。人間やめてるヤツが大半だ。人間は近づくな」
――『ほしいんでしょ?いつもいくらで買ってる?』
あの時は理解できなかった、怪しい男の言葉。
その意味が今になってようやく分かった。
「前までは……ゴミクズの集まりでも、それを統率するヤツが居た」
シドはそこで少し間を置いてから、その名を口に零す。
「"地下の売人"」
「地下の、売人……?」
「自称プロの売人。扱う薬物を全部てめぇで試すらしい。ただのド変態野郎だ」
「………」
「ただ、エサを持ってるやつはゴミの中では優秀だからな。そいつが居る内はZの奴らもこっち側にちょっかい出してくることもなかった。だが――」
「……シド?」
「最近、ソイツが消えた」
「き、消えたって」
「今までも姿をくらますことはあったが、今回は長い。死んだんじゃねぇかって言われてる」
「………」
「薬やってるヤツがある日道端で死んでたなんて、珍しい話でもねぇよ」