余所者-よそもの-
それから程なくすると、ユキのスマホに着信が入る。
「――ああ、止まったか。ご苦労さん」
それは私たちが八賀と交渉している間、商人の足止めをしていたサンコンからで、無事に事態は収束したという知らせだった。
八賀さんは迅速に対応してくれたようだ。
これで一安心、とホッとしたところでハタと気が付く。
あれ?
今歩いてるここはどこ?
「あの、ユキさん」
「なに」
「私、帰ります」
「今帰ってるだろ」
いや、すっかりユキに着いて歩いてはきたけれど。
ここはAnBarとはまるで別の方向で、帰路じゃない。
戸惑う私に、ユキは疲れた様子で言った。
「俺んちでいいでしょ」
「え?」
「店まで送ってくのも面倒なんだよ」
「送ってくれなくても、私一人で帰れますよ?」
「今日全く同じセリフを言って、露天街とモメたのはどこの誰だろう」
「………」
はい、私です。
何も言えなくなった私は、大人しくユキの後ろをついていった。