余所者-よそもの-


――――…
――…


「う……ん」

寒い。
手前にある布を引っ張った。

けれど、何か重しが乗ってるみたいにちっとも手繰り寄せることができない。

眠気眼のまま布を辿れば、暖かい感触がしたので、腕を回して抱きしめた。

硬くて大きな暖かいもの。
顔をうずめれば、いい匂いだってする。

最高の布団。

すると布団が動き出して、すっぽりと私を包み込んでくれた。
髪を梳いて、耳の横をかすめて、なんだかくすぐったい。

「お前、大胆だね」

果てにはそう喋りだした布団に、

「え」

……布団って喋るっけ?

目を開ける。
鎖骨の浮き出た胸板に、上下する喉ぼとけ。


至近距離。
眠たそうに薄く瞬きをする、ユキ。


「な。なななななななな」

キュウウ、と顔に熱が集まる。


「なんでここにいるんですかッ!!!!」


ガバッと勢いよく起き上がり、声をあげると、「ん……」と眠たそうに眼を擦っている。

全容を理解すると、顔の熱は耳の先まで広がった。


「ここ、おれのベッドだし……」

いや、それでもなんで。
ソファで寝てたじゃない。


「……さむ」

そう言って両手を伸ばしてくるユキに、これは危険と後ずさって距離を取った。

寝ぼけてるユキは子供みたいにあどけない。

破壊力がエグい。
心臓が死ぬ。


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