余所者-よそもの-
「毎回ここで食事をとるのか?」
「うーん。毎回冷凍食品っていうのも、いつか飽きがきそうですよね」
「料理はできないの?」
「一応できますよ。だけどユキさんチ、調理器具が何もないじゃないですか」
「カード渡したろ」
「ユキさん、料理するんですか?」
「するように見える?」
「……見えません」
「調理器具でもなんでも好きに揃えていい。今度、なんか作ってみて」
作ってほしい、じゃなくて『作ってみて』とは。
……何かの試験だろうか。
料理は人並みにはできるけれど、別に特別上手という訳じゃない。
でも……ユキが食べてくれるなら頑張ってみようかな。
「ちゃんとベッドで寝ないと、風邪ひきますよ」
「うん」
「じゃあ、また明後日来ます」
「今日は、泊まっていかないの?」
そう聞かれてドキッとした。
泊まっていきなよ、って言われているかと勘違いしてしまいそうになる。
「……か、帰ります。明日はAnBarですし!」
「そう。お疲れ様」
脳裏に浮かんだのはこの間、ベッドでの出来事。
――『お前、大胆だね』
私は逃げ出すように、ユキの家を飛び出したのだった。