恋愛経験ゼロの年下くんが、私の一番になりました
亜佑美が朝陽の部屋に身を寄せる生活が始まってから平日も休日も朝は「おはよう」と笑い合い、夜は「おやすみ」と言葉を交わす。
当たり前のように隣にいてくれる存在は亜佑美の心を少しずつ満たしていて、その結果それは表情にも表れていたようで職場の同僚からは、
「最近、何か良いことあった?」
そう尋ねられることが増えていた。
「実は、ちょっと事情があって……今彼氏の部屋に泊まらせてもらってるんだ」
その話を聞いた同僚は目を丸くしたあと、にやりと笑った。
「え、それってほぼ同棲じゃない。いっそのこと本当に同棲しちゃえばいいのに」
その思いがけない言葉に亜佑美頬が熱くなる。
(それも、悪くないかもしれない)
そんな考えが頭を過り自分でも驚くけれど、その思いをすぐに打ち消した。
今こうして一緒に暮らしているのは自分が誰かに付け狙われていて、それを心配してくれている朝陽の厚意から。
問題が何一つ解決していない今、そんな話をするべきではない。
そう自分に言い聞かせた亜佑美はその気持ちを胸の奥へしまい込んだ。
そして、一週間が過ぎたある日の夕方、迎えに来てくれた朝陽と並んでマンションのエントランスへ向かっていた、その時だった。
「…………っ」
ふいに背筋を這い上がるような悪寒が走り、亜佑美の肩がびくりと震えてその場で足が止まる。
異変に気づいた朝陽がすぐに声を掛けた。
「亜佑美さん、どうかしましたか?」
すると亜佑美は青ざめた顔で朝陽の服を掴む。
「朝陽くん……今……誰かに見られてる気がして……」
怯えた声を聞いた瞬間、朝陽の表情が引き締まり、周囲へ鋭い視線を巡らせるものの不審な人物の姿は見当たらない。
(やっぱり、ここも知られていたのか……)
自分の自宅ならまだ安心かと思っていた朝陽だったが、ここまで知られているのなら相手がいつ接触してきてもおかしくないことを悟る。
今はとにかく亜佑美を安心させて安全な場所へ連れていくことが先決と、
「亜佑美さん、大丈夫です。何があっても俺が守ります」
そう言ってそっと肩を抱き寄せる。
「とりあえず部屋へ入りましょう」
「……うん」
朝陽の言葉には小さく頷いた亜佑美は彼の腕に寄り添うように歩き出した。
エレベーターの中でも朝陽は亜佑美を安心させるように肩を抱いたままで部屋へ向かい、部屋に入るとすぐにドアへ鍵とチェーンをかけた。
ようやく密室になったことで緊張の糸が少し緩んだのか亜佑美の強ばっていた表情からはわずかに力が抜けていて、そんな彼女の様子を見つめながら朝陽は安堵した。
当たり前のように隣にいてくれる存在は亜佑美の心を少しずつ満たしていて、その結果それは表情にも表れていたようで職場の同僚からは、
「最近、何か良いことあった?」
そう尋ねられることが増えていた。
「実は、ちょっと事情があって……今彼氏の部屋に泊まらせてもらってるんだ」
その話を聞いた同僚は目を丸くしたあと、にやりと笑った。
「え、それってほぼ同棲じゃない。いっそのこと本当に同棲しちゃえばいいのに」
その思いがけない言葉に亜佑美頬が熱くなる。
(それも、悪くないかもしれない)
そんな考えが頭を過り自分でも驚くけれど、その思いをすぐに打ち消した。
今こうして一緒に暮らしているのは自分が誰かに付け狙われていて、それを心配してくれている朝陽の厚意から。
問題が何一つ解決していない今、そんな話をするべきではない。
そう自分に言い聞かせた亜佑美はその気持ちを胸の奥へしまい込んだ。
そして、一週間が過ぎたある日の夕方、迎えに来てくれた朝陽と並んでマンションのエントランスへ向かっていた、その時だった。
「…………っ」
ふいに背筋を這い上がるような悪寒が走り、亜佑美の肩がびくりと震えてその場で足が止まる。
異変に気づいた朝陽がすぐに声を掛けた。
「亜佑美さん、どうかしましたか?」
すると亜佑美は青ざめた顔で朝陽の服を掴む。
「朝陽くん……今……誰かに見られてる気がして……」
怯えた声を聞いた瞬間、朝陽の表情が引き締まり、周囲へ鋭い視線を巡らせるものの不審な人物の姿は見当たらない。
(やっぱり、ここも知られていたのか……)
自分の自宅ならまだ安心かと思っていた朝陽だったが、ここまで知られているのなら相手がいつ接触してきてもおかしくないことを悟る。
今はとにかく亜佑美を安心させて安全な場所へ連れていくことが先決と、
「亜佑美さん、大丈夫です。何があっても俺が守ります」
そう言ってそっと肩を抱き寄せる。
「とりあえず部屋へ入りましょう」
「……うん」
朝陽の言葉には小さく頷いた亜佑美は彼の腕に寄り添うように歩き出した。
エレベーターの中でも朝陽は亜佑美を安心させるように肩を抱いたままで部屋へ向かい、部屋に入るとすぐにドアへ鍵とチェーンをかけた。
ようやく密室になったことで緊張の糸が少し緩んだのか亜佑美の強ばっていた表情からはわずかに力が抜けていて、そんな彼女の様子を見つめながら朝陽は安堵した。