恋愛経験ゼロの年下くんが、私の一番になりました
気づけば退屈を感じる暇もないまま、車は目的地の喫茶店へ到着していた。
「着きましたけど……」
朝陽が車を駐車場へ入れながら言う横で亜佑美も窓の外へ視線を向け――そして思わず目を丸くした。
「うわ……」
店の前には既に長い列が出来ていて、入口からずらりと並ぶ人影に朝陽も驚いたように声を上げる。
「すごく混んでますね」
「そうだね。よく考えてみれば人気店だし休日だもの、混んでるよね」
亜佑美は苦笑しながらシートベルトを外すけれど、朝陽はむしろ目を輝かせていた。
「でも、こんなに人が来るくらい人気で美味しいってことですよね! 楽しみです!」
そしてそう言うと朝陽はさっさと車を降りてしまったので、
「え、ちょっ……」
亜佑美も慌てて後を追った。
外へ出ると朝陽は既に列の方へ向かおうとしている。
「え? 並ぶの? この人数だと……一時間半、二時間くらい待つかもしれないよ?」
「二時間……」
「近くに別の店もあるから、何ならそっちに――」
亜佑美としてはここのパンケーキは気になっていたから並ぶのは覚悟の上ではあるし、朝陽は優しいから付き合ってくれると言うかもしれないが、そこまでしてパンケーキを食べたいわけじゃないはずだ。
そう思って提案しかけた亜佑美だったが朝陽は不思議そうに瞬きをした後、柔らかく笑った。
「俺は全然待てますけど、あ、もしかして木葉さんは待ちたくないですか?」
「え……」
「それなら別の場所に行きますけど、でも、木葉さんはここのパンケーキが気になっていたんですよね?」
そう言って、彼は少しだけ首を傾げる。
「せっかくですし、まだまだ時間もあるし、良かったら待ちませんか?」
その笑顔は本当に嫌そうな様子が一切無く、無理して合わせている感じでもない。
ただ純粋に、“パンケーキが気になるから待とう”と言っているように見えて、亜佑美は思わず笑いそうになる。
これまで関わってきた男の人なら、“待つくらいなら別の店でいい” “並んでまでパンケーキとか食べなくても”と言う男性が普通で、実際、亜佑美自身もそう思うタイプだったはずなのに、今は――朝陽となら待ち時間は苦にならないかもしれないとさえ思ってしまった。
「着きましたけど……」
朝陽が車を駐車場へ入れながら言う横で亜佑美も窓の外へ視線を向け――そして思わず目を丸くした。
「うわ……」
店の前には既に長い列が出来ていて、入口からずらりと並ぶ人影に朝陽も驚いたように声を上げる。
「すごく混んでますね」
「そうだね。よく考えてみれば人気店だし休日だもの、混んでるよね」
亜佑美は苦笑しながらシートベルトを外すけれど、朝陽はむしろ目を輝かせていた。
「でも、こんなに人が来るくらい人気で美味しいってことですよね! 楽しみです!」
そしてそう言うと朝陽はさっさと車を降りてしまったので、
「え、ちょっ……」
亜佑美も慌てて後を追った。
外へ出ると朝陽は既に列の方へ向かおうとしている。
「え? 並ぶの? この人数だと……一時間半、二時間くらい待つかもしれないよ?」
「二時間……」
「近くに別の店もあるから、何ならそっちに――」
亜佑美としてはここのパンケーキは気になっていたから並ぶのは覚悟の上ではあるし、朝陽は優しいから付き合ってくれると言うかもしれないが、そこまでしてパンケーキを食べたいわけじゃないはずだ。
そう思って提案しかけた亜佑美だったが朝陽は不思議そうに瞬きをした後、柔らかく笑った。
「俺は全然待てますけど、あ、もしかして木葉さんは待ちたくないですか?」
「え……」
「それなら別の場所に行きますけど、でも、木葉さんはここのパンケーキが気になっていたんですよね?」
そう言って、彼は少しだけ首を傾げる。
「せっかくですし、まだまだ時間もあるし、良かったら待ちませんか?」
その笑顔は本当に嫌そうな様子が一切無く、無理して合わせている感じでもない。
ただ純粋に、“パンケーキが気になるから待とう”と言っているように見えて、亜佑美は思わず笑いそうになる。
これまで関わってきた男の人なら、“待つくらいなら別の店でいい” “並んでまでパンケーキとか食べなくても”と言う男性が普通で、実際、亜佑美自身もそう思うタイプだったはずなのに、今は――朝陽となら待ち時間は苦にならないかもしれないとさえ思ってしまった。