恋愛経験ゼロの年下くんが、私の一番になりました
頼れる存在
 あの日、朝陽への気持ちに気付いてからというもの何も手につかず、平日は仕事をミスしないようにこなし、夜は自宅で朝陽のSNSアカウントを眺めたり、未だに続くメッセージのやり取りを楽しんでいた。

 そんな中、明日の金曜日の仕事終わりに朝陽を誘って飲みでも行こうかと思っていた亜佑美の元に友人から電話が掛かってきた。

「もしもし?」
『亜佑美、お願い助けて!!』

 開口一番、半泣きの声が飛び込んできたことで亜佑美は思わずスマートフォンを耳から離しかけた。

「え、何? どうしたの」
『明日の合コン、一人来れなくなっちゃったの! 今必死に探してるんだけど全然見つからなくて……! お願い、亜佑美参加して!!』
「いや、私、合コンはもう……」
『一次会だけでいいから! 本当にお願い!』

 畳み掛けるように頼み込まれ、亜佑美は困ったように眉を下げる。

 正直、気は進まなかった。

 以前ならまだしも、今はそういう場に全くと言っていい程興味が湧かないから。

 けれど、これまで何度も誘ってもらった恩もあることからここで突っぱねるのも悪い気がして、亜佑美は小さく息を吐いた。

「……分かった。今回だけだからね」
『ありがとう亜佑美!! それじゃあ詳しいことはメッセージで送るから』
「了解」

 通話を切ると亜佑美はソファーにもたれたまま天井を見上げてため息を吐き、

「……はぁ、何で引き受けちゃったかな」

 そう嘆きつつ、今更どうにもならないことを嘆いても仕方ない、合コンは本当に今回限りにしようと改めて心に誓って気持ちを切り替えた。
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