恋愛経験ゼロの年下くんが、私の一番になりました
「友人になれて……休日は毎週のように一緒に出掛けられて、それだけでも十分幸せでしたし、傍に居られるならこのままでもいいのかなって思ってました」
「…………」
「でも……友人のままだと踏み込めないこともあるって、改めて知りました」

 想いを口にしながらも朝陽の脳裏には昼間の出来事が脳裏を過る。

「亜佑美さんが迷惑そうにしているのを俺はただ、横で見ていることしか出来ない……ただの友人じゃ、亜佑美さんを守れないって思ったから……」

 朝陽の言葉に亜佑美の胸が大きく鳴るのと同時に、きっと彼はずっと考えていて、悩んで、迷って、それでも答えを出してくれたのだろうと思った。

「――俺を、亜佑美さんの彼氏にして欲しいです

 ただ黙って話を聞く亜佑美を前に朝陽は精一杯の勇気を振り絞る。

「彼氏として、亜佑美さんを守らせて欲しいんです!」

 想いを伝え終えた朝陽の顔は、自信に満ち溢れているように見えた。

 亜佑美は黙ったまま、ただ朝陽を見つめていた。

 思い返せば、朝陽はいつも自分を気遣ってくれた。

 困っている時は真っ先に手を差し伸べてくれた。

 楽しい時間も何気ない日常も、気付けば、その隣にはいつも朝陽がいた。

 亜佑美もずっと、思っていた。

 朝陽と友人以上の関係になれたらどんなに良いかと。

 だけど、自分からそれを伝える勇気が出なかった。

 そんな中、伝えられた朝陽の想い。

「朝陽くん……」

 亜佑美を前に、朝陽は緊張したまま返事を待っていた。

 そんな姿が愛おしくて、亜佑美は思わず小さく笑い、そして、潤んだ瞳で朝陽を見つめながら、ゆっくりと口を開いた。

「私も――朝陽くんのことが、好き……」

 夕焼けが広がる中、二人の関係を変える言葉が、亜佑美の口から静かに紡がれた。
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