恋愛経験ゼロの年下くんが、私の一番になりました
想いが重なる時
夕食は外で済ませて、そのまま朝陽が亜佑美を自宅まで送ることになっていたので日が暮れる前に朝陽の部屋を出た二人。
「夕飯は何食べます?」
ハンドルを握りながら尋ねる朝陽に亜佑美は少し考える素振りを見せる。
「どうしようかな。お昼遅かったし、夜はあんまり重くないものがいいかも」
そんな他愛のない会話を交わしていたその時、亜佑美のスマートフォンから着信音が鳴り響いて画面を確認した瞬間、亜佑美は分かりやすく眉を下げた。
その反応に気付いた朝陽が少しだけ表情を曇らせる。
「……もしかして、またですか?」
「うん……」
着信相手は力弥からで、鳴り続けているが亜佑美は応答しようとしない。
昼間と同じようにうんざりした色が浮かんでいた。
やがて着信が途切れて車内に静寂が戻ると、朝陽は暫く前を見据えたまま黙っていたが意を決したように口を開いた。
「亜佑美さん」
「ん?」
「少し寄りたい場所があるんですけど、付き合ってもらってもいいですか?」
そんな突然の申し出に亜佑美は目を瞬かせると不思議そうな表情を浮かべている。
「うん、全然構わないよ」
「ありがとうございます」
そう言って朝陽はハンドルを切り、予定していた道とは別の方向へ車を走らせた。
賑やかな街並みを抜けるにつれて高い建物は少なくなり、代わりに広い空が視界を満たしていく。
やがて窓の向こうには夕陽を受けてキラキラと輝く海が広がった。
(一体、どこへ向かってるんだろう……?)
不思議に思いながら亜佑美は流れゆく景色を眺めていると、車は海沿いの静かな場所でゆっくりと停車した。
目の前には水平線へと沈みゆく夕陽。
空も海も茜色に染まり、息を呑む程に美しい景色が広がっていた。
「朝陽くんの行きたいところってここ?」
亜佑美が首を傾げたその瞬間カチリと小さな音が響く中、朝陽がシートベルトを外して運転席から身体ごと亜佑美の方へ向き直った。
その真剣な様子に亜佑美の胸が小さくざわつく。
「亜佑美さん」
真っ直ぐ向けられる瞳から目が離せない亜佑美。
「朝陽、くん……?」
問いかけるように名前を呼び返すと朝陽は一度だけ息を吸い込み、覚悟を決めたように口を開いた。
「亜佑美さんーー」
夕陽に照らされた瞳が揺るぎなく亜佑美を見つめ、
「俺……」
一瞬の沈黙の後、
「亜佑美さんのことが、好きです」
飾り気のない真っ直ぐな言葉が朝陽の口から告げられた。
「…………」
沈みゆく夕陽の中、朝陽はただひたすらに亜佑美を見つめ続けていた。
「夕飯は何食べます?」
ハンドルを握りながら尋ねる朝陽に亜佑美は少し考える素振りを見せる。
「どうしようかな。お昼遅かったし、夜はあんまり重くないものがいいかも」
そんな他愛のない会話を交わしていたその時、亜佑美のスマートフォンから着信音が鳴り響いて画面を確認した瞬間、亜佑美は分かりやすく眉を下げた。
その反応に気付いた朝陽が少しだけ表情を曇らせる。
「……もしかして、またですか?」
「うん……」
着信相手は力弥からで、鳴り続けているが亜佑美は応答しようとしない。
昼間と同じようにうんざりした色が浮かんでいた。
やがて着信が途切れて車内に静寂が戻ると、朝陽は暫く前を見据えたまま黙っていたが意を決したように口を開いた。
「亜佑美さん」
「ん?」
「少し寄りたい場所があるんですけど、付き合ってもらってもいいですか?」
そんな突然の申し出に亜佑美は目を瞬かせると不思議そうな表情を浮かべている。
「うん、全然構わないよ」
「ありがとうございます」
そう言って朝陽はハンドルを切り、予定していた道とは別の方向へ車を走らせた。
賑やかな街並みを抜けるにつれて高い建物は少なくなり、代わりに広い空が視界を満たしていく。
やがて窓の向こうには夕陽を受けてキラキラと輝く海が広がった。
(一体、どこへ向かってるんだろう……?)
不思議に思いながら亜佑美は流れゆく景色を眺めていると、車は海沿いの静かな場所でゆっくりと停車した。
目の前には水平線へと沈みゆく夕陽。
空も海も茜色に染まり、息を呑む程に美しい景色が広がっていた。
「朝陽くんの行きたいところってここ?」
亜佑美が首を傾げたその瞬間カチリと小さな音が響く中、朝陽がシートベルトを外して運転席から身体ごと亜佑美の方へ向き直った。
その真剣な様子に亜佑美の胸が小さくざわつく。
「亜佑美さん」
真っ直ぐ向けられる瞳から目が離せない亜佑美。
「朝陽、くん……?」
問いかけるように名前を呼び返すと朝陽は一度だけ息を吸い込み、覚悟を決めたように口を開いた。
「亜佑美さんーー」
夕陽に照らされた瞳が揺るぎなく亜佑美を見つめ、
「俺……」
一瞬の沈黙の後、
「亜佑美さんのことが、好きです」
飾り気のない真っ直ぐな言葉が朝陽の口から告げられた。
「…………」
沈みゆく夕陽の中、朝陽はただひたすらに亜佑美を見つめ続けていた。