恋愛経験ゼロの年下くんが、私の一番になりました
(誰だろ? 朝陽くんのお友達……かな?)

 見た目は二十代くらいで、柔らかなアッシュブラウンの無造作ヘアに淡いグレーの切れ長の瞳が印象的な青年だった。

「あの……どちら様でしょうか?」

 朝陽の友人かもしれないと思った亜佑美はドアホン越しに応対する。

『こんにちは~、俺、朝陽の友達の陽向(ひなた)って言います』
「あ、その、朝陽くんは今、出てまして……」
『知ってる知ってる。さっき朝陽に連絡したら仕事だって。もうすぐ帰るから家で待っててって言われたんだけど……』
「え……あ、そうなんですか?」
『もしかして、聞いてない?』
「ええ、まあ……」
『マジか……どうすっかな……』
「あ、あの、今そちらへ行きますね」

 ドアホンを切った亜佑美は一旦玄関へ向い、ドアを開ける。

「あ、わざわざすいませんね」
「いえ……」
「え、ってかキミ可愛いね。朝陽から聞いてたけど、想像以上だわ」
「そ、そんなこと……」

 彼ーー陽向は朝陽と違ってグイグイくる男で亜佑美は戸惑いを隠せない。

(背、高いな……180くらいあるのかな?)

「朝陽からキミのことはよく聞いてるよ。確か、亜佑美さん……だったっけ?」
「あ、はい、木葉 亜佑美です」
「ほら、アイツ今回が初めての彼女じゃん? 色々心配してたんだよねぇ。相手は年上だって言ってたし。けど、亜佑美さんみたいな美人と付き合えるとかアイツ強運過ぎ!」
「あはは……」

 朝陽のことや自分のことを知っているとあって、親しい間柄であることが分かった亜佑美は悩んだ末、

(朝陽くん、すぐ帰るつもりだったから待ってるように言ったのかな? 外で待ってもらうのは悪いし、中に入れた方がいい、よね?)

「あの、朝陽くんもすぐに帰ってくると思いますから、中へどうぞ……」
「え!? いいの? それじゃ、お言葉に甘えてお邪魔します」

 陽向を中へ招き入れることにした。
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