ほどけるくらい、愛して〜魔術師は異世界から来た運命のひとを逃がさない〜
そんな願いが通じたのだろうか。彼――ギルベルト・フリートハイムは、彩瑛の返事に嬉しそうに頬を緩めた。貴重なその笑みに彩瑛が見惚れていると、伸びてきた手が彼女の腕を取り――そして彩瑛が気付いたときにはギルベルトの腕の中に抱かれていた。
鼻先に感じた彼の匂いに、一気に頬が熱くなる。
「ありがとう、サエ」
――お礼なんて言わないで欲しい。わたしは嘘を吐いているのに。囁かれたその言葉に彩瑛の胸が苦しくなる。
このままでは泣いてしまいそうだと、彩瑛は口を開いた。
「ギルベルト様、く、苦しいです……」
そう訴えかければ、密着していた体は慌てて離れていった。すまない、と呟く彼の顔も僅かに赤い。
彩瑛よりも年上のはずなのに可愛らしい彼の表情に胸が高鳴る。今日はギルベルトの色んな表情を見られる日だ。最後だから、神様も気を使ってくれたのだろうか。
でも、それもそろそろ終わりにしなければ。仕事も抜けさせてもらっているので、戻らなければいけない。
「そろそろ仕事に戻らないと。ギルベルト様は、お城に戻るんですか?」
「ん、仕事の続きをしようと、思ってる。――一日でも早く、完成させたいから」
「お仕事熱心なのは構いませんが、ご飯もちゃんと食べてくださいね。倒れたって話を聞いて、心臓が止まる思いはもうしたくないですから」
「……気を付ける」
返事までに沈黙があったことが気がかりだが、今日、昼食を取りに寄ってくれたギルベルトの部下に食事には気を付けて欲しいと伝えたから最悪の事態にはならないだろう。
鼻先に感じた彼の匂いに、一気に頬が熱くなる。
「ありがとう、サエ」
――お礼なんて言わないで欲しい。わたしは嘘を吐いているのに。囁かれたその言葉に彩瑛の胸が苦しくなる。
このままでは泣いてしまいそうだと、彩瑛は口を開いた。
「ギルベルト様、く、苦しいです……」
そう訴えかければ、密着していた体は慌てて離れていった。すまない、と呟く彼の顔も僅かに赤い。
彩瑛よりも年上のはずなのに可愛らしい彼の表情に胸が高鳴る。今日はギルベルトの色んな表情を見られる日だ。最後だから、神様も気を使ってくれたのだろうか。
でも、それもそろそろ終わりにしなければ。仕事も抜けさせてもらっているので、戻らなければいけない。
「そろそろ仕事に戻らないと。ギルベルト様は、お城に戻るんですか?」
「ん、仕事の続きをしようと、思ってる。――一日でも早く、完成させたいから」
「お仕事熱心なのは構いませんが、ご飯もちゃんと食べてくださいね。倒れたって話を聞いて、心臓が止まる思いはもうしたくないですから」
「……気を付ける」
返事までに沈黙があったことが気がかりだが、今日、昼食を取りに寄ってくれたギルベルトの部下に食事には気を付けて欲しいと伝えたから最悪の事態にはならないだろう。