トワイライト〜ふたりで奏でる最高の歌〜
朝ちゃんは、それから毎日のように自宅のピアノで練習していた。
時々、朝ちゃんにしては珍しい、弱音メッセージが送られてくる日もあったけど。
それでも朝ちゃんは諦めなかった。
ボイスメッセージで送られてくるピアノの音は、日を追うごとになめらかになっていた。
そして、数週間後。
学校が休みの日、私は初めて朝ちゃんの家にお邪魔した。
ピンクや白を基調にした可愛らしい部屋の奥には、大きなホワイトカラーのアップライトピアノがあって。
私のギターと何度か合わせてから、私たちはマイクを繋いで歌入れを始めた。
ピアノとギター。
そこに重なる、ふたりの声。
今までのトワイライトとは違う。
でも、確かに今までよりも、“私たちの音”を感じた。
そうして無事完成したアンサーソング《Re:Dawn》は、投稿直後から大反響だった。
『待って、神曲すぎる』
『ピアノ入ったことで世界観さらに広がってる!』
『ピアノ、sanaちゃん!?トワライ、多才すぎるだろ!』
『これからもふたりは同じ目標を目指して行くんだね!』
『トワライ新章!最高すぎるっ!』
コメント欄は、温かい言葉で溢れていた。
そして、投稿から数日後。
夜に自室で宿題をしていたら、突然朝ちゃんから電話がかかってきた。
「もしもし、朝ちゃん?どうし──」
《よる!大変!トワイライトのフォロワーめちゃくちゃ増えてる!》
「え?」
《いいから、サイト開いて!なんか『Re:Dawn』の再生回数といいねが異常に伸びてて、それでフォロワーも……》
朝ちゃんから説明を受けながら、私もパソコンから自分たちの動画を投稿しているページに飛ぶ。
うわっ……ほんとだ。
フォロワーは、1万人ほどだったのに、一気に2万人弱になっているし……動画の再生回数は……60万回!?
今まで、2〜3万回ぐらいだったのに!?
何が起きてるんだとコメント欄を覗けば、新着コメントが次々に追加されていた。
『青春すぎる……眩しい……』
『こんな風に思い合える友達がいるって宝だよな』
『泣いた』
そんな中に『ルックラッキから来た!』というコメントがいくつかあるのを見つけた。
ルックラッキとは、短いショート動画を誰でも投稿できるアプリ。曲に合わせてダンスを投稿したり、若者に大人気のアプリだ。
そこでこの曲を聞いたってこと?
私たち、ルックラッキはやってないけど……。
《よる、見つけた!!今リンク送った。この動画がきっかけで、バズってるみたい》
電話から朝ちゃんのそんな声が聞こえて、すぐに送ってもらったリンクを開く。