甘い痛みは秘密の夜に〜マスクを外した天才パティシエは、独占欲の塊でした〜
可愛いは正義
一度食べたら忘れられない、そう言えるほど美味しいケーキ。運が良い日には、濃厚なチョコレートや焼き菓子が宝石のようにひっそりと並ぶ。それはきっと、常連しか知り得ない秘密のメニューだ。すっかりこの店のファンになっている雛子は、今宵も店が開いてはいないものかとふらり店の前を覗いていた。
――今日はだめかぁ。
ランプが灯らない静かな店を前に、雛子ががっかりしたのはケーキが食べられないからだけではない。胸の中を占めているのは、昨日たまたま流れてきたSNSのタイムラインだ。思わず手が止まり、目が釘付けになったあの画面が気になって頭から離れずにいる。
本人を目の前にして、それを確かめることはできるだろうか。
心の中にそんな迷いはあるものの、気になる気持ちは止められない。
雛子を虜にしているケーキ職人。この店の主は、海外のコンテストを総なめにした天才パティシエと同一人物かもしれない。
――今日はだめかぁ。
ランプが灯らない静かな店を前に、雛子ががっかりしたのはケーキが食べられないからだけではない。胸の中を占めているのは、昨日たまたま流れてきたSNSのタイムラインだ。思わず手が止まり、目が釘付けになったあの画面が気になって頭から離れずにいる。
本人を目の前にして、それを確かめることはできるだろうか。
心の中にそんな迷いはあるものの、気になる気持ちは止められない。
雛子を虜にしているケーキ職人。この店の主は、海外のコンテストを総なめにした天才パティシエと同一人物かもしれない。