一流御曹司は若い婚約者よりも45歳の私を溺愛する

2話 一流御曹司の彼は、私の店に花を買いに来た

「……女性に贈る花束を、一つ頼めますか」

彼は淡々とした口調でそう言った。

高級なスーツに身を包んだその姿は、まるでこの小さな花屋には場違いなほどに洗練されている。

私は彼の佇まいに息を呑んだ。

こんなにも素敵な方が、一体どんな女性のために花を求めるのだろう。

私のような者とは住む世界が違う、きっと彼にお似合いの美しい女性がいるに違いない。

そう考えると、胸の奥が少しだけチクリと痛んだ。

私は好奇心と、抑えきれない切なさを抱えたまま、思わず言葉を漏らした。

「……恋人の方にですか?」

彼がゆっくりとこちらを振り返った。

その瞬間、私は息を止めた。

彼と視線が合ったような気がして、全身の血が逆流するような衝撃を受けたからだ。

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