とろけてほどけて愛になる〜友達の恋人の友達は、私を癒して甘やかす〜
プロローグ
 出会いは、互いの友人が付き合い始めたことがきっかけだった。

 それまでは何も接点はなく、話したこともなければ、名前すらも曖昧だったほどだ。

 ただ共通点が出来たことで、少しずつ距離は縮まっていった。

 そして知るたびに興味を持ち、好感を抱くようになっていた。

 口調が穏やか、笑顔が可愛らしい、一緒にいると何故かホッとする。

 だけどこの時はそんな想いを伝えることはなく、友人の恋人の友人として他愛もない話に花を咲かせていた。

 だからだろうか。

「二人って雰囲気がすごく似てるよね」

 友人にそう言われた時に、顔を見合わせ揃って首を傾げた。

 確かに似てるのかもしれない。同じ空間にいて安心したり、穏やかな気持ちになれたのは初めての経験だったから。

 とはいえ、別々の大学に進学したため、会うことはなくなった。

 たった一年、一日の中のたった数時間一緒にいただけなのに、決して忘れることのない記憶として頭に残っている。

 きっともう会うことはない──そう思っていたのに、運命とは不思議なもので、こんな時間がまた巡ってくるとは思いもしなかった。

 始まりは悲報だった。

 病院で顔を合わせた二人は、あの頃よりもずっと大人になって、微かに残る面影の先に過去の姿が垣間見えた。

 その瞬間に抱いた感情は、病院には似つかわしくないものだとわかっていた。だから心の奥にグッと押し込んだ。

 そして二人の間で泣き崩れる尾原(おばら)祥子(しょうこ)を、ただ慰めるしかなかった。

 この再会は喜んでいいものではないのに、こんなことはいけないとわかっていても、気持ちを抑えることは出来ず、それぞれの想いを胸に秘め、深い沼へとはまっていく──。
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